お坊さんと、常識を覆して生き生きしよう!

お坊さんのいるダイニング ~「高島平団地には寺がない!」と叫んだら~

2015年10月5日(月)。高島平のコミュニティカフェ「ハロハログルメ」で毎月第一月曜日に開催されるという、「お坊さんのいるダイニング」を視察してきました!

先月9月23日に参加した「高島平まちかいぎ」で、元高島平団地住民の私は、「故郷である高島平に、寺がない!」と叫んだのでした。

私の両親世代が第1回入居者ですから、高齢者がとても多くなっているのに、町にお寺がないというのは問題じゃないか。町はずれにキリスト教会ならあるのですが……。
しかし団地内の土地建物はURさんの持ち物ですから、宗教法人が買い取ることはできません。
それならせめて、大々的なまち開発をするときに、お坊さんカフェのような場(仏教僧侶だけじゃなく神主さんも牧師さんも集うような…)をつくれないものか、と考えてみたのです。

ところが!

「スグレさん、団地でカフェやってるお坊さんなら、すでにいるよ」

と、まちかいぎに参加していたTさんが教えてくださいました。

そのお坊さんが、この「お坊さんのいるダイニング」の主、板橋区前野町・昌玲寺の藤村行一住職(浄土真宗)。

団地にお住まいのかたがたや、近隣の石材店さんも参加して、ワンドリンク+手作りフードで和気あいあいと語らいが続きました。
すごいなぁと感じたのは、がん宣告後も放射線治療を拒否してきた、だけどこの通り出歩くこともできて元気だ!とおっしゃるかたの告白話のあと、藤村和尚が「そうなんだ。元気でよかったね」と日常会話のように返すと、場がシーンとなることなく、そのかたも話したいことを実におおらかにたくさんお話しになって、この一日を満喫して帰られた、というところです。

生き死にの話を、当たり前のようにできること。
生き死にに関わる話をすることが当たり前(人並み)のことになりますように。
生き死にの話を軽やかにわかちあえる人と人の波間(人・波)に漂えることで、楽に生きられますように。

まさしく私が「ひとなみ」でやりたかったことが、ここに実現されていました。

藤村和尚のお寺、昌玲寺は、こんな感じです。

見学させていただいた日には、「子育てサロン」になっていて、近隣の赤ちゃん連れママさんたちの憩いの場になっていました。

日ごろ、「寺社は地域の核であるべし」と声高に申してはおりましたが、こんなに身近に、地域の核であるお寺さんが存在していたとは!

ご縁に感謝です。

この記事を書いた人
『いいお坊さん ひどいお坊さん』(ベスト新書電子版, 2011)、『心が軽くなる仏教とのつきあいかた』(啓文社書房, 2017)ほかの著者、勝 桂子(すぐれ・けいこ)、ニックネームOkeiです。 当サイト“ひとなみ”は、Okeiが主宰する任意団体です。葬祭カウンセラーとして、仏教をはじめとする宗教の存在意義を追究し、生きづらさを緩和してゆくための座談会、勉強会を随時開催しています。
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