ひとなみは、『いいお坊さん ひどいお坊さん』(ベスト新書、2011年)著者の勝桂子(すぐれ・けいこ)が、お寺がもっとひろく市民に活用されることを願って立ちあげた任意団体です。
2010年10月3日に東京・要町で「散骨座談会」を開催したのが最初でした。
勝桂子は葬祭カウンセラーとして10年来、全国津々浦々の僧侶研修において〝寺社を看取りステーションに〟とうたってきました。
親子が同居しない時代となり、親族がいても「迷惑かけたくない」という風潮から葬祭がどんどん簡略化されてゆくなか、遺言や相続を担当する行政書士として多くの看取りを体験。
人生観や生きかたというものは、誰かを看取ることによって確立されてゆく、と感じるようになりました。
同時に、行政書士・FPとして相談に応じるなか、いわゆる終活の相談にみえるかたの懸念のほとんどが「お金の心配」ばかりで、人生観や生きがいというものについて語ることがないことに違和感をおぼえました。
お寺や神社であれば、人生を語ることができる――そう信じて、「ひとなみ座談会」や「ひとなみ勉強会」を繰り返してゆきました。
〝生きづらさ〟や〝自死〟、〝モラルハラスメント〟といったテーマの催しを開くと、一般的な集会所では重々しくなりがちですが、寺社を舞台にすれば「苦しみにも意味がある」といった方向へ話題が転換してゆくことを感じるようになりました。
そうしたことの延長線上で、2024年春から二村祐輔の日本葬祭アカデミー教務研究室とタッグを組み、コエテコカレッジ内「ハニワと学ぶ。」において、動画講座による葬祭カウンセラーの認定をするようになりました。
お寺にお墓のある人がいまだ多数であるため、お寺がハブとなって専門職や葬祭に詳しい市民が集い、そこで日常から死生にかかわる話題をかわし、さらには〝看取り〟を主導してゆけば、血縁がみとることのできない時代においても、誰もが安心して最期を迎えられると考えたからです。
葬祭カウンセラーは、日本葬祭アカデミー教務研究室が20年来ひろめてきた民間資格で、認定者は1000人以上にのぼります。
ひとなみ「ハニワと学ぶ。」での認定は、さらに僧侶の講義や終末期医療についての学びを加え、〝実用講座〟として将来は地域の看取りを担う人材を育成するべく尽力しております。
🔷ひとなみでの葬祭カウンセラー認定者名簿はこちらです。